もともと米国陸軍用に、ミリタリーユースとして開発されたのがハマーH1で、そのイメージ継承し、民生用に洗練させたのがH2だった。そのH2をさらに身近な存在としたのが、コチラのハマーH3。ラダーフレーム採用のGMの乗用4WD(SUV)のシャシーを用い、本格的なオフローダーの実力を発揮。さらにより現実的なボディサイズながら、スタイルはH2イメージの個性派と、とにかく個性的な存在感のあるモデルだ。H3が北米で販売されたのは2005年から、さらに2006年には南アフリカ・ポートエリザベス工場にて北米以外で初のノックダウン生産を開始。ヨーロッパや日本を含むアジア市場での拡販を目論んでいる。2007年には、世界43カ国で5万1562台の販売台数があったという。
そんなハマーH3の最新型が、今回試乗したモデル。ちなみに2008年モデルからハマーは型式認定を取得しての正規輸入を開始している。これを機に、日本市場でもより浸透を図ろうという狙いがあるようだ。
その意気込みを実感するのが、今回の右ハンドル車の導入だ。もともとH3はより現実的なボディサイズだったから、右ハンドル車の導入を歓迎するユーザーは多いのではないだろうか。日本での利便性でいえば、右ハンドル車が有利なのはいうまでもない。ラインアップでは5速MT車も用意するベースの「H3」およびメッキのパーツを装着し人気が高いという「H3 Luxury」に右ハンドル車は設定される。なお搭載エンジンは排気量を200ccアップさせた3700ccの直列5気筒DOHC VVT付きエンジン(245ps/33.5kg-m)をメインに、7月から新たに5300ccのV8 OHV(呼称は「H3 V8」)も導入される。
実車は、変わらずひと目見て「ハマーだ」とわかるルックス。骨太で四角い窓の小さな(=ピラーが太い)スタイルはまさにハマーユニークな姿で、魅力は色褪せていない。
レポート:NaotoShimazaki 写真:MSN自動車編集部 取材協力:GMジャパン
フラットで輪郭のはっきりした面で構成されるH3のスタイリング。直立したフロントガラスやサイドウインドがスクエア感をさらに強調している。 |
|
リアビューで目立つ大きく張り出したフェンダーフレア。クルマが四角い金属ブロックから削り出されたような雰囲気を醸し出す。 |
|
独自の7本縦型スロットグリル、四角の枠にはめ込まれた円形ヘッドランプは、「Like Nothig Else.(何ものにも似ていない)」独創的なデザインを具現化したもの。 |
|
ボディーパネルに対してガラス面積が小さいのは、米国陸軍の要請で開発された軍事車両をルーツに、乗員保護性能が最優先されているため。 |